蔡國強の展覧会

2010/05/09
中国は農民の問題にテーマが移ったと復旦大学の張少俊はいう。人口の80%を占める農民が政府の最大のテーマであり、中国の未来を左右する人たちだと言う。日本もそうだったように、80%を占める農民の生活がどう変わり中国の消費の中心になっていくかが中国全体を左右する時代になった。

蔡國強の展覧会のオープニングに招待された。
蔡國強は自分の作品ではなく、中国の全土から探し集めた農民の創作したロボットや飛行機やペリコプターや潜水艦を展示している。あの広大な中国の農民が誰とも相談せず、支援も受けずに「夢を追い求める科のように・・・」つくりあげた飛行機や潜水艦を蔡國強は探し出して世界の人々に提示している。
中国人好みのプロパガンダがビルの壁に書かれている。「飛ぶことだけ考えて降りることを知らない」とか「農民、メイドインチャイナからアイディア・チャイナへ」という意味らしい。
壮大な中国の農民のこの創作意欲を内外の人々の目に触れさせることで蔡國強の芸術活動は政治でありアジテーションであり、中国の人々の意欲を駆り立てながら人という自然と立ち向かいながら挑戦する生きものの凄さを伝えようとしている。
中国政府の肝いりで、確か、アメリカの資本も入って出来た、上海のバンド地区の古いビルをギャラリーに改装したそのお披露目も兼ねている。
中国は大変な勢いでアートシーンを塗り替えている。ヨーロッパもアメリカももはやアートの中心とは言い難いぐらいに中国がアジアの・・・世界の中心になるとイメージさせる。
いくつかの展覧会の作品を紹介しよう。

改装された新しいギャラリー

試験飛行の3回目で墜落してこれを開発した農民は死んでしまったのだという。

どう降りるかを知らない・・・というコメントに飛びたいという中国の農民の夢が見えている。

優れた演出。展覧会場の屋外部分の演出である。

中国各地の地名を記入した屋台が配置されている。中国全土の農民の参加を象徴している。

本当に飛んだ飛行機の数々、その一つが野外に展示されていた。

吹き抜けに展示された農民の創作。何人かの農民が招待競れていた。


1つずつの農民達の創作に中国の底深い可能性を感じざるを得ない。まだ我々がみているのは中国の表層だけであると実感させられる。