筑後の旅

2010/03/27
筑後に行ってきた。福岡県の産業創造のプロジェクトである。
田舎はいいな〜。黙っていても自然素材でリサイクルである。
日本唯一の櫨蝋の製造工場では櫨の実から楼をつくっていて、実をとったあとの枝や蝋を絞った絞りかすが燃料になっている。
日本最後の樟脳の製造工場も訪ねた。楠の木をチップにして蒸して絞ってつくるのだが、ここでも絞りかすが燃料だ。
櫨蝋の蝋燭の芯が空洞なのに気付いた。空洞だから炎が外からの酸素と芯の中からの酸素で、ダブルで、完全燃焼させる。煤がでない理由が分かった。昔の人の実に合理的な智恵に驚いた。
人件費がかかりすぎていて、洋蝋の10倍の値段だから商品になりにくいけど現代化したいなと思った。

井草の利用を工夫しているおじさんを訪ねた。農業の共同事業会社の社長さんだった。もう日本井草はほとんど無くなってしまっていて、奈良で見つけた小さな株を栽培して増やして井草畑を持っていた。研究して試して失敗して今では一本ずつ灯心をとりだしている。
サラダオイルに浸してきれいな炎をつくっていた。外国の井草は細くて灯心が取れないのだそうである。

柳川にも行ってきた。
観光地化していて、川もちょっと寂しいし、有明海ののり業者が、葉っぱがのりに絡むからと柳川なのに柳がない。桜が街路樹になっていた。僕は名前を櫻川に変えなさいと、悲しみをこらえて捨て台詞を投げかけた。
有明海の海産物が良かった。特殊な生態系の理由が見えてきた。
その土地の生態系、その土地の風物、植物、その土地のしきたり、その土地の言葉を大切にしたいな・・・と思った。

久留米の街にちょっとオシャレな小さいホテルがあった。福岡県の職員たちの優しさに逢った。若いデザイナーたちのキラキラした瞳にも逢った。

また来るね・・・そういって別れた。
もう一度、有明海も見なくては・・・。蒙古来襲の遺跡も見た。桜の咲く堤防だった。有明海の夕陽はきっと綺麗だろうな。
(2010,3、27)
写真は筑後の桜と野菊