DESIGN TODAY
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光と影のボーンチャイナ展 by 鍋田 知宏

2009/04/15
 先月31日(火)から4月18日(土)まで、東京・青山の酉福ギャラリーにて行われている“Chris Wight (クリス・ワイト) ボーンチャイナ展”に伺った。ギャラリーにはクリス・ワイト氏、友人の建築家 安斎 哲氏、前川 知子氏も顔をだしてくれて、和やかな時間を過ごすことが出来た。
 作品は、まさにクリスそのもの・・・。人柄がそのまま作品になったような、温かさを感じる展覧会だった。今回は、新作数点の展示に以前からの習作も含めた展示会。新作は同一形態の繰り返し、そしてクリスが以前から考えるナチュラル、有機形態に重点を置いた、手のひらサイズの作品が展示されている。

▲ 陶芸家 クリス・ワイト氏
 新作の土台部分はコンクリート製なのだが、そこに使われている配筋は廃材の冷蔵庫から再利用したものだそう。金属片やボーンチャイナの欠片の取り込まれたコンクリートの土台部分は、あたかも世界の歴史を内包した地層のようにも見られる。そして、その地層から天に向かって生えるシルバー製の脚は、クリスの友人のアクセサリーデザイナーによるものだという。クリスによるイメージをPhotoshopを用い、アクセサリーデザイナーに伝え造ってもらったそうだ。ボーンチャイナの素材との相性が心地よい。

 今回の新作もそうだが、彼の作品には、名前が付いていない。イメージを固定させるのを避けるためだそうだ。「作品を見た方々が様々なイマジネーションを湧かせて欲しい・・・」クリスは、そう話す。生け花のようにも見え、高層建築の模型にも見える。見
る人それぞれのイマジネーションの想起をも、
クリスは楽しんでいるようだ。

▲ 今回の新作の一つ。台座部はコンクリートに
  様々なマテリアルを混ぜて作った。
 今回の展覧会から感じられたことは、非常に多いのだが、特に彼の作品は以前のものも含め、いずれも光と影の間に存在し、その光と影をも作品として演出しているように感じる。それは、ボーンチャイナを極限まで薄く製作する技法によるもの以上にその組合わされた「かたち」が光と影をもとりこにしてしまうということなのだろう。

 展覧会の会期は、4月18日、今週の土曜までだが、是非とも実際に目の前で作品を見て頂きたい。光と影をもとりこにした「かたち」、クリス・ワイトを体感して頂きたい。








ー Chris Wight ボーンチャイナ展 ー
会 期:開催中~4月18日(土) ※日・月曜日休廊
時 間:11:00ー18:00 ※最終日は16:00まで
問合先:酉福(ゆうふく)ギャラリー
     東京都港区南青山2-6-12 アヌシー青山1階
     TEL 03-5411-2900
U R L :http://www.yufuku.net/


<文> 建築家 鍋田知宏