DESIGN TODAY
世界の最新デザイン事情

Exit to Safety「デザインにできること」展
鈴木 綾

2007/05/22
私たちの日常生活を瞬時に覆す大災害「地震」。
地震大国日本で生活する限り避けては通れない災害ではあるものの
その恐怖に直面した時、私たちはいったいどれだけ落ち着いて対処できるでしょうか。
AXISギャラリーでは「防災」をテーマに、
デザインを通して「安全」への突破口を模索する展覧会が開催されています。
分野の異なる7人のデザイナーによる作品と「地震EXPO」で行われた防災グッズコンペ優秀作品で構成された展示会場内。
会場内の床は、インスタレーションで凹凸ある地面が再現され観る者は災害時のように平行感覚を失いながら、靴を脱いだ状態で作品と向き合います。
そんな中ひときわ目をひくのが壁に描かれた小泉均氏によるピクトグラム。
日常生活でよく使われる新聞、レジ袋、ロープ、などが災害時には意外な使用方法があることを解りやすく提示しています。
たとえば「ラップ」。
食品の保存に使用するのが一般的ですが、他にも包帯として代用したり食器の上に敷けば、食器を水洗いする必要がなくなります。
このように道具の使用用途を角度を変えて改めて眺めてみると新たな発見ができそうです。

「新たな発見」と言えば、会場内で本日開催されたULTRA STUDIO +36.7℃によるワークショップ「勇気のでるフロシキ MAY 2007」。
基本形のかた結びやかたなわ結び、「すいか包み」と言った一般的な風呂敷の使用方法だけではなく、風呂敷が災害時や避難所生活でどのように活用できるかを教わりました。
風呂敷はたった一枚の布ですが、そこに「結ぶ」という人間の知恵が加わることで荷物を運ぶバッグ代わりにもなれば、何枚かをつなぎ合わせて担架がわりにもなるという無限の可能性を秘めたアイテム。
参加者は思い思いに結び目をつくり、新たな風呂敷の活用方法を模索していました。
次回のワークショップは曽我部昌史(みかんぐみ)+神奈川大学曽我部研究室による「ワッフルドーム ─ 新聞紙をつかったシェルター」(5月26日(土) 14:00~16:00)。
新聞紙を折り畳んで立体を作ることでワッフルのようなシェルターを作ります。

精神的にも物理的にも極限に近い状態に人間を陥れる「災害」ですが、常日頃から「もの」に対して思いを巡らし、創意工夫を施すことで「もの」と「人」との新しい関係が見えることを教わった展示でした。
皆さんもあらゆる「もの」に対してあらゆるアプローチを試みては如何でしょうか。

「Exit to Safety ─ デザインにできること 展」
期間:2007年5月15日(火) ~ 6月3日(日)
時間:11:00 ~ 19:00 (最終日は17:00まで)
場所:アクシスギャラリー 入場料:無料
参加デザイナー:石井洋二、 今北 仁、忽那裕樹、中央アーキ、野老朝雄、古平正義、小泉 均