SALONE ARCHIVES in Milan
黒川雅之のサローネ情報

黒川雅之のサローネ情報2007 vol.21
坂茂のARTEK

2007/04/22
トリエンナーレの庭に坂茂君の小屋があった。リサイクルできるプラスティックとパルプによる素材をH型やT型に成形して鋼材のように構築した小屋である。部材の一部、水平部位が少し撓んでいたのが気がかりだがリサイクル素材と歌っていた。
坂茂君は僕の息子(大学三年生の、そのうち建築家としてデビューする、黒川彰といいます)が指導を受ける教授だから特別褒めたたえたいのだが、今回の小屋は特別のことはない構築物だ。要するに素材に面白さがあるにすぎない。
彼のこのところの活躍はすさまじい。ポンピドーセンターの増築(別棟)の模型や図面を見たのだが、これまでの彼の仕事は紙パイプなどの素材の構造的可能性を広げて来たのだが、ポンピドーでは空間造形への興味が先行して素材からの発想が後追いなのではないかな?と感じている。
建築は,その原点は「その辺りで手に入る素材を発見して」、「その素材を利用した構築方法を探り」、「その構築技術を育てていく」ことであり、それと「生活と気持ちが寄り添う」プロセスで生まれるのだと思っている。だから彼の建築の姿勢が好きだった。
それに比べて、今度のポンピドーはアジアのハットの編み模様から発想したシェルターを掛けてその下に展示の巨大な長方形のボックスをパリのメモリアルな建築の方角へ向けて配置したもので,どちらかと言うと「都市とのコンティニュイティーによって建築を都市化しようとする」企てであってテクノロジカルなのだが、すこしいつもよりは引いている。
それぞれの展示ボックスの中から望遠鏡のようにその延長線上にパリのメモリアルな構築物が見えるように仕組まれているらしい。一寸余談だったかな?