SALONE ARCHIVES in Milan
黒川雅之のサローネ情報

黒川雅之のサローネ情報2007 vol.19
四人と一人

2007/04/22
日本からのデザイナーの個展とグループ展である。
個展は喜多俊之さん、グループ展は内田繁さんのグループ。内田君のガラスの樹と水の反映がいい。このガラスの樹はチェコでつくったそうである。水は数回の失敗を重ねてやっとここまで来たと言っていた。
サローネには二つのゾーンがあって一つは主会場であるフィエラと言われる巨大な見本市会場とミラノの街を埋め尽くす数百の展覧会である。4月18日から23日の6日間にその全部を見ることは不可能だから、まるで6日間に1000を遥かに超えるチャンネルの番組を選ぶように様々な情報から絞り込んで選び出したギャラリーを見て歩くことになる。
そんななかでなにを訴えるか,同人々の興味を引いて引き寄せるかが勝負である。この二つの展覧会も主会場のようには多くの人は訪れることはない。

サローネには3つの参加理由をもっている人たちがいる。一つは「商品を取引するために」商品を展示して商談をする会場。これは主会場にほとんど限られる。もう一つは展覧会を開催して「デザイナーか企業かが自分たちの宣伝や主張のために」展示する人たちである。これは街に溢れたギャラリーである。
もちろん「商談のため」を目指してはいても主会場には入れずやむを得ず街で展示している企業もある。それほど主会場でいい場所をとるためには政治的な力が必要なのである。
二つ目の街の展覧会は同時に「デザイナーや企業がメディアへのメッセージを意識して」展示している。サローネには実に多くのメディアが集まる。要するに取材である。これを意識してデザイナーも企業も展示をするのである。
こうして、見本市の意味が次第に変化して来た。

ここでもう一つの「死にものぐるいの若者」の展示会に触れておきたい。この二つの展覧会の間を縫うように多くの若者たちがいろいろなチャンスを生かして自分の作品を展示して企業化する企業を探している。このような若者たちの活動が僕たちをほっとさせる。