Yasuko's Room
元アクシス編集長関康子のデザイン寄稿

インド建築ツアー<6> デリーでの半日だけの解放
関康子

2006/08/30

ジャンタル・マンタルの全景
 ダッカから、カルカッタ経由で、この旅の最後の宿泊地デリーに着いたのは、夜10時頃。皆で旅の無事を祝って最後の晩餐をする予定だったが、レストランはどこもすでにクローズ。仕方なく、24時間オープンのカフェテリアで、ハンバーガーやフレンチフライを摘む。



天体観測装置の一つ


ジャンタル・マンタル周辺の建築物

写真:SEKI
そして最終日、早朝から真夜中まで、ただひたすらコルビュジェとカーンの建築を訪問していたツアー面々に与えられた自由時間はたったの半日。この短い時間では、やり残している、ショッピング、街の探索、アユーラベーダのエステ、究極のインド料理堪能のすべてをこなすことは到底不可能。泣く泣くアユーラベーダを諦め、さっそく街へ。ところが、日曜日なので一般的な商業施設はどこも閉まっている。
 それでもめげず、まずは1時間程度で見学できそうな「ジャンタル・マンタル」(天文観測所)へ。このような天文観測所はジャイプールのものが最大で、他にもウジャイン、バナーラス、マトゥラーなどインド各地にある。これらは18世紀初頭にジャイプールの街を造ったジャイ・シング王によって、天文観測のために建設された。日時計、子午線議、照準議などの建造物は同時に表現主義的建築のような魅惑的な造形物でもある。
さて、デリーの「ジャンタル・マンタル」は、現在は公園施設のようで、インド人であれば無料、外国人は幾らだったか忘れてしまったが、インドの物価からすると結構な料金を支払わされた。しかし、園内はきちんと整備され、今から300年ほど昔のマハラジャの夢を体感できる。それにしても、ここで「かくれんぼ」をしたらさぞかし楽しいだろうなあ。
経済発展が期待されているブリックス(BRICs=ブラジル、ロシア、インド、中国)の一国として注目されているインド。そんなインドが経済発展ばかりでなく、今後、インド人による、インド人のための、どのようなインド建築(文化)を生み出してくれるのようでしょうか? アユーラベーダをやり残しているのでもう一度インドを訪問したい私は、コルビュジェとカーンの建築を見終わって、そう想うのでした。